敷地は愛知県岡崎市、とある住宅地の一角に位置します。長年美容院での経験を積んだクライアントの長女がオープンするヘアサロンとクライアント夫婦の寝室、浴室、トイレが1階に、2階には一日のうちで長く時間を過ごすダイニングキッチン、リビング、客間と長女の寝室がそれぞれ配されています。サロンのある一階正面部分は、大きな開口を設けて、人が入りやすいオープンな雰囲気。更に外壁や内装に木を多用することでナチュラルであたたかみのある印象を与えてます。
玄関扉も木製で統一されています。さらにその横をガラス張りとし、外壁や床材を室内まで延長させることで、内外のつながりが生まれ、空間に広がりが生まれると同時に、玄関にも十分な光を取り込むことができます。
こちらは階段室の様子。まだまだ健康なクライアント夫婦ですが、将来的な身体への負担軽減を考慮し、1階の階高を抑えて段数を少なくし、また蹴上の高さも低く設定されています。
2階には南から、ダイニングキッチン、リビング、和室と洋室が異なる天井の高さと床レベルに沿って配置されています。一番南に面し明るく開放感あるダイニングキッチンには大きな開口が設けられ、光と風をたっぷり取り込むことができます。屋根の勾配に沿った高さのある天井が空間により広がりをもたらしています。
キッチンにはダイニングに面したオープンなアイランドキッチンが採用されています。すっきりとコンパクトでスタイリッシュな印象です。室内には、無垢のフローリング、漆喰仕上げの壁等自然素材が多く用いられ明るくナチュラルな空間となっています。また寝室や洗面所、トイレの壁は左官職人から手ほどきを受けたクライアント自らが仕上げたそう。自らが家づくりに参加することでこの住まいへの愛着や思い入れも一層強まることでしょう。
ダイニングからリビング、そして客間でもある和室を望みます。和室と洋室には腰かけられる程度の段差を設けてベンチとしての機能を持たせると同時に、1階サロン部分の天井高を確保しています。和室とリビングを仕切る障子の上部をシームレスとし、天井にリビングと同素材を用いることで、障子を閉めた状態でも空間のつながりを感じることができます。