曲線が生きるファサードbest5—存在感のあるファサードデザイン!

K.Matsunaga K.Matsunaga
鳳の家 House in Otori, arbol arbol Modern home
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造形には「直線」と「曲線」があり、それぞれ異なる印象や優美さを持ち合わせています。デザインにおいてはそのバランスや印象を掛け合わせて表現がなされます。しかし製品事情となると、曲線よりも直線の方が加工や素材を効率的に使うのが容易なため、建築においてもコスト面を重視すると直線の建物が圧倒的に多くあります。その中で曲線を使ったデザインは目を引く存在感となるでしょう。今回ご紹介するのは、曲線を使ったファサード5選です。さまざまな敷地環境の中から生まれた、曲線が織りなす存在感たっぷりのファサードアイデアを見てみましょう!

1.駅前に建つ多環境の集合住宅

SPACESPACEが手がけた、五角形の敷地にある駅前の集合住宅です。樹齢700年のクスノキがそばにあり、また駐輪場や神社、商店など多数の賑やかな環境から地域の住民も多く行き交うのが特徴です。効率を考えると、無機質なビルになってしまいがちなところを、敷地形状に沿った面に曲面を採用することで多くの人が行き交う地域に対してやわらかさを持つファサードが生まれました。内部は単身者用の賃貸住宅ということで、比較的若い世代の入居が見込まれます。内部の通路や中庭にも曲線の織りなす動線が見通しの優しさややわらかさを演出する効果が生まれています。本住宅については「個性的な賃貸住宅の例「 D-APARTMENT」」で詳細をご紹介しています。

2.アトリウムのある二世帯住宅

沖縄県那覇市にある、一級建築士事務所 FADが手がけた二世帯住宅です。モダンな教会を思わせるような印象的なファサードは、環境特有の気候にあわせて快適な環境を生み出すようにデザインされています。スリットは西陽を和らげ、角地にあるこちらの住まいへ直接的に室内への影響が少ないように設けられました。内部はアトリウムを持ち、いつも室内が明るく心地よい環境です。曲線とスリットからなるファサードは、夜になると明かりが漏れ一層魅力的な存在感を放ちます。本住宅については「個性的な外観とアトリウムをもつ二世帯住宅」で詳細をご紹介しています。

3.プライベート空間を楽しめるコートハウス

鳳の家 House in Otori, arbol arbol Modern home

ARBOLの手がけた、大阪府の住宅密集地にある木造二階建ての住宅。外部には開口が見えず、なめらかな曲線を描いていることから一見木造には見えないかもしれません。周囲には建物が密集していること、道路で行き来があることを踏まえ、中庭を持つコートハウスとしてデザインされています。建坪は約13坪ほどですが、中庭があることで光と風が導かれ、外部からは感じられないほど広々とした空間が広がります。角地にある印象がファサードのカーブによってやわらかな印象を与えるモダンな住まいとなりました。本住宅については「光と風のフィルターに包まれる「鳳の家」」で詳細をご紹介しています。

4.すべり台のある家「SLIDE HOUSE」

遊び心のある家、をイメージしてデザインされたのは、LEVEL ARCHITECTSの手がけたこちらの住まいです。白くモダンな印象のファサードは、シンプルながらも切り取られたファサードのカーブによって独特な存在感を放ちます。外部に合わせて内部に足を踏み入れると、収納のデザインや開口などが同じく曲線のディテールが採用され、この家の世界観が統一されているのがわかります。外周のカーブに沿って、すべり台ももうけられ、階段の代わりに大人も使ったり、子どもが普段遊んだりするのに最適なワクワクした日常がそこにあります。本住宅については「すべり台のある家「中目黒の家」」で詳細をご紹介しています。

5.緑の残る都市部に建つ離れと庭

STYLE IS STILL LIVING ,INC.の手がけた、既存の家の離れとして建てられた空間です。住まい手が隣地を買い増ししたことで計画がスタートし、「どこにもないものを」という言葉から生まれたのがこちらのデザイン。詩を詠んだり、書画の鑑賞をするために使いたいという目的から、「繭の中に包まれるような空間」を建築家が提案しました。包まれ、ほっとしながら集中でき、安らぎのある空間。独特な曲線の建物は草屋根に包まれ、内部は土佐漆喰の自然素材が心地よい仕上げがなされました。まさに「どこにもない」空間で穏やかな時間を過ごすことができるでしょう。本プロジェクトについては「練馬 T HOUSE」で詳細をご覧いただくことができます。

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