天井の一部を下げるとどんな空間になりますか?

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百人町・M-House, 平野智司計画工房 平野智司計画工房 Living room
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部屋の高さを利用して天井の一部を下げる造作を施すと、部屋に面白い表情が加わります。これは折り下げ天井と呼ばれます。あまり話題にならないそんな折り下げ天井に今回はスポットをあてて素敵なアイデアをご紹介します。床や壁だけでなく天井もインテリアの重要な要素だということが、改めて納得できるかもしれません!

折り下げ天井の和室での効果

和室において天井を一部下げるとまた違った雰囲気が楽しめます。こちらはオープンな広々とした空間に“和”のスペースを設けたものです。座ってくつろぐ畳の上では天井の高い空間はどうも落ち着かなくなります。そこで、このスペースの天井を一部だけ下げることで、開放感はそのままに、落ち着いた和の空間を表現しました。和の趣に欠かせない陰影による演出が折り下げ天井の造作によって可能になったと言えるでしょう。


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折り下げ天井には、高い天井が必要?

天井を一部下げる場合、もちろん部屋に高さがあれば様々な造作が可能になります。例としてこちらの写真をご紹介しましょう。こちらの住宅は平野智司計画工房が手掛けたものですが、リビングキッチンの壁が天井の一部となってつながっています。シンプルな空間に天井の一部を下げることによってできる光と 影が豊かな表情を作っているのが分かりますね。また、高さに余裕がない場合でも、例えば壁際の一部を折上げるだけで、空間に奥行きを与えてくれます。


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どんな造作ができる?

床や壁は家具を置くと隠れてしまう部分が出てきます。それに比べて天井は照明器具が付くだけなので意外と造作で楽しむことができます。例えばこちらの写真。折り下げ天井でリビングルームの天井に曲線を描きます。例えばダウンライトなどを天井に埋め込みたいけれど天井裏にスペースがない場合、このように天井を一部下げることでダウンライトを設けることもできます。折り下げ天井のリビングルームは、座ったときに落ち着いた雰囲気にもなりますね。

プラスターボードを使う

耐火性、遮音性に優れて比較的簡単に施工できるプラスターボードは住宅において天井の造作にも広く使われています。そしてプラスターボードは下地材ですので好みに合わせて表面を塗装するなどして仕上げます。こちらのリビングは天井を壁と同じ色に仕上げ、スリットを入れてそこから光が漏れる演出を施していま す。また、天井と壁の素材が違う場合、突き合わせる部分に配慮が必要ですが、このようにしたことで違う素材であるにもかかわらず、違和感なく調和していま す。このように造作された折り下げ天井はリビングに立体感を演出してくれます。


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

 低い天井のためのインテリアのコツ

間接照明を設ける

マンションのリフォームなどでよく問題になるのが大きな梁。レイアウトをしていくうえでどうしても邪魔になる場合、梁下に合わせて全ての天井を下げてしまう方法があります。また、できるだけ広々とした空間を確保したい場合は、天井を一部だけ下げて梁を隠すことになります。でも、折り下げ天井でリビングにお洒落な演出ができるのであれば梁がなくても意図的に天井を下げてみたくなります。こちらの写真はディンプル建築設計事務所がリノベーションを手掛けた住 宅です。傷がついても風合いを楽しめるように壁を無垢の木で仕上げいますが、その面白いパターンが間接照明によって美しく生かされています。

ダクトや配線を隠す役目

アイランド型のキッチンでは換気扇のダクトの処理を考えないといけません。天井裏に十分なスペースがある場合は問題ありませんが、そうでない場合やリノベーションの場合など、できるだけ大掛かりな工事になることは避けたいですね。天井の一部を下げることは視覚的な効果だけでなく、写真のようにダクトや配線などを隠す役目もあります。ここでは“隠す”という用途は表に出さず、天井の造作が一層センスのいい空間を作り上げています。


【天井については、こちらの記事でも紹介しています】

※ 梁が見える天井の知っておきたい6つのメリット  

※ 天井材がインテリアを決める!その種類と選び方  

※ 天井は高ければ良いとは限らない!理想的な天井高とは? 


追記:より立体的な空間に

こちらは折下げ天井のリビングルーム。折下げ天井によってリビングルームに縦の動きと奥行きが生まれ、空間に広がりを感じられるようになります。また間接照明と組み合わせることでモノトーンの空間に立体的ができます。モノトーンのインテリアに馴染む高級感のある仕上がりが素敵ですね。

クレジット: TAPO富岡建築計画事務所

追記:さりげなく空間を仕切ることも

こちらのLDKは天井に木を貼ってナチュラルな空間を演出しています。木の天井はバルコニーへも続き、内と外の境界を緩やかに繋げます。一方、作業や仕事などに取り組めるカウンターテーブルの配置された空間の天井は折り下げ天井で、さりげなく空間を仕切ります。大きく繋がった空間でも仕切りを付けたい場合は、折下がり天井を利用することでさりげなく空間を仕切ることできます。

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