現代の長屋5選ー伝統とモダンの融合

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Re:Toyosaki, coil松村一輝建設計事務所 coil松村一輝建設計事務所 Living room
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長屋は、都心部や下町などの住宅が密集した土地に建てられた住居で、そのため木造の薄暗い室内というイメージをお持ちの方も多いことでしょう。地域によっては、入り口が狭く、奥に細長い敷地ということも、その薄暗いイメージが広がることにつながったのかもしれません。昔の木造住宅ということで、どこか閉塞感があり寒そうで、使い勝手の悪そうな印象もあったかもしれません。今回の記事でお届けする「現代の長屋」では、現代の生活に合わせた、素敵な趣の快適な生活空間を可能にする長屋です。これまでの長屋のイメージがガラリと変わることでしょう。

Re:Toyosaki

COIL松村一輝建設計事務所が手がけたのは、ご夫婦二人の新しい生活のためのお住まいです。大阪の梅田駅より徒歩15分という便利な場所に位置するこの家は、古い長屋を解体してリノベーションされたもの。解体の際にとっておいた建具は再生時に用いられたため、新しいのにどこかノスタルジックな魅力のあるお住まいですね。敷地面積は約12坪とのことですが、閉塞感を感じさせず、明るく爽やかな雰囲気で、まさに長屋のリノベーションの成功例といえるでしょう。こちらのリノベーションは、小さな古い建物のリノベーション「Re:Toyosaki」で詳しくご紹介しています。

写真:増田 好郎

sora

神奈川県の【快適健康環境+DESIGN】森建築設計が手がけたのは、4軒の賃貸長屋。神奈川建築コンクール 優秀賞を受賞された住居です。こちらはそのダイニングキッチン。高い天井やロフトがスタイリッシュなインテリアですね。4軒のそれぞれの住戸にはパティオが設けられ、そこ面した開口部からは、自然光が差し込む仕組みです。ガラスの引き戸は、空間の内部と外部を連続させるのに役立っており、生活空間がさらに広がります。シンプルでモダンな外観も美しいこちらの長屋は、現代にちょうど良い賃貸長屋のカタチ「sora」で詳細をご覧いただけます。

「原型からの再生」

まるで古民家カフェのような、オシャレでほっこりとした佇まいのこちらの長屋は、向井一規建築設計工房によってリノベーションが手掛けられました。築80年以上を経た建物が再生により、また新たな生活空間として生まれ変わりました。住居は幅4メートル、奥行き16メートルほどの細長い敷地ですが、前庭や光庭、天窓などにより風通しも採光も十分に行われる設計です。吹き抜けやアトリエ、通り土間などディテール必見のこちらのお住まいは、homify 360°:築80年の長屋を現代的に再生「原型からの再生」で詳細をご紹介しています。

写真:鈴木研一

住吉の元長屋

大阪のATELIER Mが手掛けたのは、築74年を経た長屋のリノベーション。それは家族の思い出が詰まったこの長屋を守りたいというクライアントのご希望により実現したものでした。両隣をマンションに挟まれ、光も入らないという大変な環境でしたが、今回の再生工事で設けられた高窓や中央付近の光庭により、光と風の確保が可能になりました。こちらがその中庭です。両側にマンションがあると思えないほど、明るく静謐な空間ですね。ここに植えられた紅葉は、住人に四季折々の姿を見せてくれることでしょう。こちらは、「見違えるほどに生まれ変わった築74年の長屋」で詳しくご紹介しています。

鷹番の長屋

最後にご紹介するのは、東京都のNIJI ARCHITECTSが手掛けた、こちらの賃貸住宅。とってもモダンなこちらの長屋は、建坪が10坪という狭小地に建てられました。高い天井が印象的な室内はその坪数を感じさせないほど、開放的な空間ですね。そしてトップライトと大きな開口のために内部が明るいのも魅力的です。こちらの長屋は2住戸3階建ての賃貸長屋なのですが、個性的なのは、その住戸の間仕切り方。平面図を見るとわかるのですが、二つの住戸の間には、S字の界壁が設けられています。こちらの長屋は、狭小地に生まれた光と空の賃貸長屋で詳しくご紹介しています。

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