ミニマルでありながら大胆なインパクトを持つ家。Trish House Yalding

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イギリス南東部に位置するケントは、豊かな自然が残り「イングランドの庭園」と呼ばれています。そんな静かなケントの田園地帯に建てられた一軒の住宅。あなたがもしモダンスタイルミニマリズムが好きというなら、きっとこの住宅を気に入るはずです。インパクトのある外観を造るために、やたらとカラフルにしたり過度な装飾をする必要はない、と皆さん既にご存知だと思いますが、この住宅はとても良い例で、色はモノクロ、直線で構成された幾何学的なフォルムはシンプルとも言えるのに、その印象的な外観と言ったら… 、さっそくご紹介します!

モノクロの外観

外観は白と黒のみを使用しており、周囲の深い緑との対比がとても新鮮に目に映ります。斜めに走っている縦のラインは変形した開口部を造り、直線が交わりできた多角形は黒、白、そしてガラスで構成されておりそこに幾何学的な美しさを見せています。建築家のMatthew Heywoodは、建築は周囲の自然と現代の構造物との間に対話を持たせるものだ、と言っています。

ユニークなエントランス

エントランスは住宅で最初にゲストを迎え入れる場所なので、個性やスタイルを表現したいと思いがちですが、こちらの住宅では敢えてその存在感を消しています。エントランスに近付いてやっと「あ、ここがドアか」と気付くことができるという徹底振り。しかもそれはヒンジドアを使った、まるで外壁がそのまま動いたかのようなユニークなデザイン。逆に室内空間への期待が高まりますね。

シンプル&スタイリッシュな室内

リビングルームは白とグレーで構成されたミニマルでスタイリッシュなインテリアです。そして大きく取られた開口部からは燦々と差し込む明るい日差しと、目の前に広がる豊かな自然。グレーという中間色でニュートラルにまとめられた室内空間から臨む、光と自然の生命力を感じさせるその風景はとてもドラマチックです。

空間を演出するモダンな暖炉

リビングルームで目を引くのは直線で構成された外観とは反対に、滑らかな曲線をもつモダンな暖炉とその下の円形コーヒーテーブル。そして視線はそのままその先にあるガラスの手すりをもつ階段へ、さらに階段を上り上階へと導かれます。そしてそこには光の差し込む窓。全ての直線は全てどこかでつながっているかのような錯覚を覚えます。

キッチン

キッチンは白で統一され、一切の装飾を省いたウルトラミニマルな空間。差し込む光によって作られる影だけが室内に模様を描きます。

ベッドルーム

二階へ移動すると、打って変わって色を使ったベッドルームがあります。変形した窓がお部屋にダイナミックな動きをプラスしています。その窓からは芝生や樹木が近くに感じられ、朝は小鳥の鳴き声で心地良く目覚めることができそう。

アトリウム

この住宅にはさらにアトリウムも用意されています。四つの方向に向けて設置された天窓からは、一日の全ての時間帯に光が差し込みます。その光が徐々に移動することで、太陽が移動し、時間が流れていることを感じる。最高の室内装飾とも言えそうですね。

シンプルな直線で構成されているのに印象的な外観。ミニマルであるのにドラマチックな空間。光と影が作るデコレーション。実際に訪れてみたくなるケントの住宅でした。

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