玄関は家の顔。特に不特定多数の人が見るのは玄関やファサードといった外観のみなので、その見た目にもこだわりたいものです。家の入口は福の入口。ラッキーを呼び込むのも玄関から。明るいエントランスから人が入りやすいように、運気も入りやすいのだとか。そのためにも照明には気を付けたいですね。今回は照明の選び方でおしゃれな玄関を作るアイデアをご紹介します。
玄関の照明は、もちろん実用としての役割も大切ですが、デザインとの調和も重要。シンプルなエントランスにはシンプル、ゴージャスなデザインのエントランスにはそれに見合った照明を使いたいものです。こちらのお宅は東京の建築家・モリモトアトリエの手による昭和モダンの木造住宅。一見、かつてよく見られた木造の家のような趣ですが、どことなくモダンなデザインが取り入れられています。こちらの玄関は、ふと見落としてしまいそうなくらいシンプルな造りですが、その存在をアピールしているのが照明です。まん丸いお月様を思わせるような白いランプが、焼杉のファサードにシンプルにマッチしていますね。
ヨーロピアンスタイルのお宅では、入り口も本場っぽいインテリアにしてみたいところ。こちらはロンドンのインテリアコーディネーターによるエントランスホールです。入り口を入ってすぐの庇を抜けると吹き抜けの階段ホールが続いています。庇の部分にライティングが取り付けられるところですが、そこを敢えて外して吹き抜けの天井から小ぢんまりとした照明をたくさんぶら下げるデザインになっています。高さがランダムなペンダントランプは空間の隅々まで明るさをもたらしてくれますね。
玄関のたたきは、家族が多かったり靴を出しっぱなしにしていたりすると、あっという間に靴だらけになってしまいます。もちろん靴箱に収納することも大切ですが、ちょっと怠っていると靴箱の下に靴が潜り込んでしまったりなんてこと、ありますよね。こちらのお宅の玄関は、靴箱の底の部分に照明が施されており、靴箱下はもちろんのこと、足元も照らしてくれます。玄関先でうっかり落としてしまったものも見つけやすくて便利です。
家のインテリアにはいろんなスタイルがありますが、リビングや寝室などだけでなく、玄関を開けたときから自分の好みのスタイルでコーディネートできると、帰宅するのも楽しくなりそう。こちらは打ちっぱなしのコンクリートにむき出しのダクトというインダストリアルスタイルの玄関。シンプルでそっけない工場風の造りの空間には、工場風のライティングが、より「それっぽさ」を演出してくれます。照明の作り出す影がまた個性的で素敵ですね。
Photo: 繁田諭
コンクリートを玄関素材として使うと、場合によってはちょっとクールになりすぎてしまうこともありますが、そこを上手に暖かく仕上げているのがこちらのお宅の玄関です。広々とした土間空間はコンクリートですが、壁を二面、白く塗ること、木製の椅子と大振りな観葉植物を置くことで住む人の暖かさを感じさせるインテリアに。さらにあたたかさを添えてくれるのが手作りのトンボ玉を思わせるようなガラスのランプ。住む人、訪ねてくる人をやさしく包み込んでくれるかのようです。
モダンな家にはやはりモダンな照明がしっくりくるもの。こちらのお宅はモダンを通り越してちょっと近未来チックな照明が使われています。広々とした玄関は、上り口が鋭角にカットされており、その段差面に照明が埋め込まれています。高い天井からは大きく個性的なランプが下がっていますが、足元が明るいだけでも出入りの時に躓くことがなさそうで便利ですね。グレイの壁面に白いライティングが明るさをもたらしてくれています。