海沿いの敷地に家を建てるならどんなプランが理想的ですか?建物の階数によっても異なった眺めを愉しむことができますよね。これまでにも様々な海沿いの家をご紹介していますが、今回もまたお施主さんの要望、素材など雰囲気の異なる住まいをご紹介いたします。坂本達哉建築設計事務所が手掛けるこちらの住まいは、まずはお施主さんのご要望である、「海を取り込むこと、木素材を使うこと」。そんな要望から生まれたのは、木造平屋のゆったりとした雰囲気と、海と自然のゆったり感がマッチしたのびやかな住空間でした。山並みに添うような開口と広い一体的な空間は自然を静かに味わえる最高の住まいです。
敷地は熊本県天草市内の国道沿いにある、明海と不知火海の二つの海と一号橋が望めるロケーション。歴史を感じることの出来る街並みに佇む本住宅は茶褐色の外壁が印象的な勇足とした平屋の建物。前面道路から住まいを守ってくれるのは木とコンクリートのモダンな柵。建物の外観やバランスを崩すことなく、中間に覗く植栽が調和したナチュラルな見た目に。屋根の先に見える爽快な空とちょこっと覗く山の頂上、海側に面した景色が気になるファサードに。
室内から望む海側の眺めは、広い海面に緩やかな山並み、そして山と山を結ぶ一号線の道路橋を見通す風景です。ゆったりと伸びるような景色を取り込むように可能な限り広げられた開口が、敷地のロケーションを考慮した事は言うまでもありません。地元の木材を用いたフロアや構造材が温かな雰囲気をつくるナチュラルなインテリア。高低差のあるフロアは広いワンルームに添った風景の変化、視点の違いを愉しむ豊かな住空間に。
ダイニング・キッチンスペースには、スタイリッシュなアイランド型のキッチンを。まるで移動可能な家具のようにカジュアルな印象にも感じられるオープンなキッチンは、調理をしながら風景を愉しみ、そして家族とのコミュニケーションも豊かになるプランです。フラットに繋がる屋外ウッドテラススペース、天気の良い日には開口をフルオープンにして、潮風や日の日差しを感じられる気持ちのいい住空間です。
シンプルな畳コーナーのある居室。縁無し畳に大きな木格子の引き戸、そしてアクセントカラーの一面深いブルーカラーでアクセントの効いた和モダンを感じるインテリア。正面には、主役のような存在感を放つ切り取られた風景。海越しに見る山並みの風景は最高の癒しの眺めかもしれません。